Q8 居合は、実戦で役に立つでしょうか。
「実戦」ですか・・・。

 もし、本当の戦争での「白兵戦」や、「真っ暗闇で、いきなり出てくる敵ゲリラ兵に対する戦い」を意味するのなら、私たちが練習している「戸山流」は、まさにその為のものとして作られているので、絶対に役に立ちます。

 しかし、おそらく、そういう意味ではないのでしょう。
たぶん「ストリート ファイト」のことをいっているのだと思います。それならば、
「直接には、役に立たない」と考えた方がいいでしょう。
 
 もう少し詳しく言うと、居合が役に立つと言うことは、「いざという場面で、日本刀を持っている」ということですね。確かに、その場面で、日本刀を持っていれば、相当強いでしょうね。しかし、私たちは、普段日本刀を腰にさして、うろうろしているわけではありませんよね。そういう意味で、「居合は、実戦では役に立たない」といっているのです。
「役に立つ場面が 極めて少ない」という方が正確でしょうか。
 あえて役に立つ場面を考えるなら、「家に刃物を持った泥棒が忍び込んできた。枕元には、真剣がある」こういう場面ですね。このときでも、本当に居合の技を使ったら、「過剰防衛」になりかねません。というのは、(どの流派でも同じでしょうが)居合の技は、「必殺」のものであって、「相手を傷つけるだけ」とか、「相手を脅かすだけ」というものではないからです。

 ただ、「直接には」役に立たないのであって、
「間接的」には実に役に立つ と思います。つまり、居合の練習の中で身につけた、「真っ直ぐに振り下ろす技術」「手首のスナップ」「打撃の瞬間における手の内(の締め方)」などなどは、そのまま「棒」を扱うときに役に立ちます。(それに、棒は どこにでもありますからね) また、組太刀を練習していると、間合いの取り方も身につきます。この点でも、居合は役に立つでしょう。

 ところで、居合には 「できるだけ抜かない。抜かないで勝つ」 という根本発想があります。
 その意味からすると、
「その様な状況に入り込まない」というのが、一番「居合の実践」なのでしょうね。


要するに、
 
 ストリートファイトの場合、
居合は「直接には役に立たない」が、「間接的には役に立つ」。
しかし、「その様な事態になるのを前もって避ける」方が もっとも居合の精神を実践している。
 その意味で、私は、「居合は、実戦に役に立つ」と考えています。


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